記事公開日: 2023年7月30日  

最終記事更新日: 2023年7月31日  

 

システム連携をされていますか?

 

 物流に携わる皆さん、こんにちは!

 皆さんは、今までにシステム連携の場面に携わったことはありますか?物流業界に関係ある方もそうでない方も、現代における物流インフラは莫大なネットワークで繋がっており、無意識にその恩恵を享受して生活をしています。ECショップで商品を購入すれば、数多くのシステムがあなたが知らない間にデータを連携し、商品を出荷・お届けするサポートをしているのです。

 今回は、そんな影の立役者である物流業界のシステムを指す用語を5つ取り上げて解説していきます。

 

用語:システム名称編

 

  • WMS

 WMS(Warehouse Management System)は倉庫管理システムと訳されます。倉庫の物流管理を効率化・最適化するシステムであり、物流業界では最も欠かせないシステムの一つで、業界では広く認知・使用されています。

 基本的に、商品の入荷・在庫保管・在庫数と在庫ステータスの管理・出荷管理などを行ます。大規模でフルオーダーされたシステムから、小規模でコンパクトなパッケージソフト、はたまたExcelで管理するファイル(も時に手動のWMSと言えなくもありません)まで様々存在しますが、基本的な機能や役割は同じです。また他のシステムとの連携をすることで重要性が増すシステムと言えます。

 荷主企業の様々な情報と物流会社のWMSが連携することにより、常に正確な商品や在庫の荷動きや状態を把握することができます。これを元に、荷主企業が商品の発注や在庫・出荷のコントロール、不良品や廃棄品の把握管理を行うことができます。システム連携により、荷主企業を物流会社とで発生しがちな在庫の差を把握、修正することも可能です。

 

 

  • TMS

 TMS(Transportation Management System)は輸送管理システム・配送管理システムと訳されます。運送・輸送の管理を効率化するシステムです。主に物流企業や、トラックを所有して運行する運送会社が所有することが一般的なシステムです。

 TMSは単体で利用されることもありますが、WMSや荷主企業などとシステム連携することで、リアルタイムトラッキング、輸送支払管理、配送進捗管理、運行管理、輸送計画などの情報共有や自動化を行います。従前、人間の手と経験値を元に行っていた輸送計画の立案や効率的な配送管理、リアルタイムな車両トラッキングが実現されることで、物流コスト削減と荷主企業や最終消費者である顧客へのサービスの向上に直結・貢献します。

 

 

  • 受注システム

 ネットショップやECサイトにおける受注システムとは、商品の購入者である顧客からの注文情報を受け取り、その情報を元に、在庫管理・出荷管理・配送指示などの物流プロセスを動かすデータを管理する役割を担っています。基本的に、ECモールなどに店舗を開設すると、管理画面としてこのシステム(機能)が使用できますが、基本的な受注処理に特化しており、機能や連携が制約される傾向があります。

 基本的にECモール(楽天・GMOなど)やフルフィルメントサービスを提供する企業(Amazonなど)にシステムが依存していルため、自己開発の必要がなくすぐに始められたり、基本的な機能が無料で使用可能であったり、誰でも簡単に操作できるように配慮がなされていたりというメリットがあります。その反面、好きなようにカスタマイズができない、便利な機能が少なく商品登録や更新に時間や手間がかかる(Web上での情報更新と読み込みは意外と時間がかかるものです)、必須機能の使用に月刊費用が必要、利用者はモール別に異なるシステムで異なる在庫や出荷管理が必要、などの不便利さを強いられる場合があります。

 すぐに低コストで導入できるできる反面、融通が効かず、荷主企業の営業規模によっては不便に感じ始めることもあります。この点から、ECモール別に担当者を設定する必要に迫られる場合があります。

 

 

  • OMS

 OMS(Order Management System)は受注管理システムと訳されますが、上に挙げた「受注システム」とは少々役割が異なります。

 このシステムは、複数の荷主企業が所有するネットショップやECサイトにまたがる顧客からの受注や注文処理を中心に、在庫管理や商品情報管理が行えるシステムです。複数サイトでの横断管理、カスタマイズ性(機能の充実)、幅広いシステム連携、セキュリティと信頼性の向上が可能になります。つまり、複数のECサイトの情報を一元化できるという点がこのシステムの最大の特徴であり、「受注システム」との明らかな違いです。

 このシステムは、WMS・TMS・ERP/基幹システム* などと連携し、受注情報や在庫状況、出荷手配、納期情報などをリアルタイムに共有し、顧客満足度の向上をサポートします。効率化につながる反面、このシステムを新たに導入する必要があります。荷主企業自身が、ニーズやECでの規模を把握し、慎重に導入の検討をする必要があります。

 

 

  • WCS

 WCS(Warehouse Control System)=倉庫制御システムと訳せるこのシステムは、WMSとは少し違い、倉庫内の機器や作業を自動化するための制御システムです。

 このシステムは、主にWMSと連携して在庫情報や入荷・出荷指示データ*を受け取り、ハンディターミナル*や入出荷用の物流機器(マテハン*)を制御するコンピュータ(PLC*)に情報を送信することで、作業員への指示や動き(導線*)を自動で判断したり、倉庫内の機械を自動的に制御したりして最適化します。これによって物流作業の効率化が図られ、物流プロセス全体の効率が向上しますが、このシステムは他の機器やWMSなどがないと機能するとはいえず、倉庫規模もコストも増大化する可能性があります。

 導入には、人員コストや人員確保リスクと、機器やシステムの導入・維持管理コストと耐用年数*の対比が重要です。

*これらの用語は、別途ご紹介します。

 

 

システムといっても数が多い!

 

 物流におけるシステムと言っても、アルファベット3文字の略語が横行ばかりでなかなか理解に苦しむ用語が多いのが物流業界。今回は特に基本的でよく耳にするシステムするものです。特に、物流企業がシステム会社と一緒にいる時などは、専門性が高まることは必須です。そんな会議が始まる前に、このページをご覧いただけたら幸いです!

次回も、物流業界におけるシステム連携の用語を解説しますのでご期待ください。

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