物流に携わる皆さん、こんにちは! 

近年、物流業界では急速な変革が進んでおり、その中心に位置するのが先進的な情報技術とシステム連携です。このブログでは、物流業界における重要な用語に焦点を当て、荷主企業のみなさんにわかりやすく簡単位ご紹介します。

今回は、「システム連携用語」の最終回!セキュリティにフォーカスした用語を5つご紹介し解説します。セキュリティは物流活動と直接的な関連はありませんが、システム連携には非常に重要なソリューションの一つです。情報とシステムの保護は年々重要度を増し続け、日本の主要物流施設がシステム攻撃される実例も多く発生しています。ぜひご覧いただいて業務にご活用いただけたら幸いです。

 

用語:セキュリティ編

 

  • ファイアウォール (Firewall)

 ファイアウォールとは、ネットワーク上で不正アクセスや攻撃から守るためのセキュリティシステムです。今や一般的に使用されるPCのOSなどに標準搭載されている技術です。その語源は、建築物や船舶での火災延焼を防ぐ壁(firewall)から派生しています。この概念がコンピュータセキュリティに導入され、データやシステムを外部侵入や破壊者から守ります。

 物流システムの連携において、ファイアウォールは基礎的な安全性確保の手段として広く利用されています。セキュリティ設定に基づいてデータの交通を監視・制御し、外部とのデータ連携を行う際の不正アクセスや悪意ある攻撃から保護する最前線として機能します。これにより、物流データや最終消費者や顧客の個人情報、システムそのものの機密性や完全性が確保され、安全性が向上します。

 

 

  • エンドツーエンド暗号化 (E2EE, End-to-End Encryption)

 エンドツーエンド暗号化は、物流システム連携においてデータのセキュリティを高める重要な手法です。この手法では、データは送信者から受信者までの全ての経路で暗号化され、中間での傍受や改ざんを防ぐことが可能です。

 物流データのエンドツーエンド暗号化は、機密性の高い情報(例: 在庫データ、取引情報)を安全に送受信する際に使用され、第三者からの不正アクセスを効果的に防ぎます。これにより、物流連携プロセス全体が信頼性とセキュリティの観点で強化され、安全なデータの共有が可能となります。

 

 

  • SSL (Secure Sockets Layer)

 SSLとは、ウェブブラウザとサーバーの通信における情報の安全な伝送を確保するための暗号化プロトコルです。物流のシステム連携においては、取引データや在庫情報など機密性の高いデータを安全に送受信するために使用されます。SSLはブラウザとサーバ上のデータを暗号化する役割を果たし、通信相手の認証を行うことでデータの完全性を担保し、安全性を確保します。これにより、第三者からの不正アクセスやデータ改ざんを防ぎ、信頼性の高い物流プロセスを保証、また顧客個人情報の漏洩防止を実現します。特にWebで頻繁に情報がやり取りされるECの分野などに必要な技術といえます。SSLを利用する通信方法は、物流システムのセキュリティ対策において重要な要素となっています。

 エンドツーエンド暗号化との違いについて、SSLは主にウェブブラウザとサーバーの通信を安全にするための技術であり、エンドツーエンド暗号化はデータを送信者から受信者まで全体で保護する方法です。SSLは特定の通信チャネルでセキュリティを提供するのに対して、エンドツーエンド暗号化は通信の全範囲でセキュリティを確保します。

 

 

  • ログ管理 (Log Management)

 物流システム上でのあらゆるイベントや活動・アクセスに関する記録をログと呼び、それらを収集、監視、解析するプロセスを指します。その主な目的は、物流データへの不正アクセスを検知し、防止することにあります。

 ログ管理は物流システムの連携においても必須であり、異常なアクティビティやセキュリティインシデントの検出、解析を可能にします。ログは通常、タイムスタンプやイベントの詳細を含み、システムの可視性を向上させ、問題のトラブルシューティングや追跡だけでなく、企業コンプライアンスの面でも有益とされます。正確かつ包括的なログ管理は、物流データの安全性と可用性を確保する、また万が一の事態が発生した場合の事態把握と再発防止をする上で不可欠です。

 

 

  • 事業継続性計画 (BCP, Business Continuity Plan)

 天災や人災などの災害や緊急事態に備え、物流会社の一般的事業の中断を最小限に抑えるために策定される計画を指します。物流システムの連携においては、システムそのものやデータの重要性を考慮して計画されます。これには、冗長性のあるデータバックアップや災害復旧のプロセス、代替通信手段の確保などが含まれます。特に物流システムでは、注文受け付けから在庫管理、配送までのプロセスが連携しているため、中断は致命的です。BCPの適切な実施は、物流プロセスの安定性と信頼性を確保し、顧客サービスの継続性を支えます。また、サプライチェーン全体を考慮した計画が不可欠であり、パートナー企業との円滑な連携も含まれます。

 物流業界では、BCPは非常に重要であり、万が一の際にもサプライチェーンの持続可能性を確保するための対策が求められています。例えば、2011年の東日本大震災において、物流会社が事業継続性計画(BCP)を活用した事例があります。震災により交通機関の混乱や物流拠点の被害が発生した中、比較的早期に復旧しサプライチェーンの中断を最小限に食い止めることができました。

 

 

用語集をご活用ください!

 

物流とシステム連携は重要であるが上に、非常に複雑な開発プロセスと運用がされています。そこでは様々な用語も飛び交います。そんな時にこのページをご覧いただけたら幸いです!またご質問や指摘があれば、いつでもご連絡ください!

みなさま、今回でシステム連携用語は終了となります。都度みなさまにご覧いただき参考にしていただけると幸いです。

次回からは新企画として違った観点からの物流用語集の解説をしていく予定ですので、引き続きご覧ください。次回も、物流業界におけるを解説しますのでご期待ください!

 

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