記事公開日: 2023年6月19日  

最終記事更新日: 2023年6月19日  

 

システム連携のご経験がありますか?

 

 物流に携わる皆さん、こんにちは!

 荷主企業さんが物流企業に物流を委託するとき、「システム連携」をする必要に迫られる場合が多くあります。その理由は、現代における物流作業に必須であり、かつ正確性や利便性を高めて、荷主企業や最終顧客の満足度向上に貢献するためなのですが、どうしてこの用語がるためなぜ物流会社や倉庫がそれを必要とするのか想像できますか?また「システム連携」って具体的にどういうことか想像できますか?

 今回から数回に渡り、物流業者とのシステム連携に必須な用語を5つずつ取り上げ、解説していきます。

 第1回目は、「データの交換方法」における用語を取り上げます。

 

用語:データの交換方法編

 

  • API

 異なるシステム、プログラム同士でのデータのやり取りや機能の連携を可能にするインターフェースです。リアルタイム性や柔軟性を提供し、データの取得や更新が効率的に行える特徴があります。このため、物流業界では、APIを使用して荷主企業のシステムと物流会社のシステムをインターフェースさせ、迅速で効率的な情報共有や業務の自動化を実現しています。例えばシステム同士で、商品情報・入出荷・在庫などの共有、納品書やデータの交換の際に必要です。

 APIを活用することで、物流企業や関連企業はより効率的で迅速な情報共有や業務処理が可能となり、顧客満足度の向上や業務効率化につながります。

フルフォーム:Application Programming Interface

 

  • FTP

 ファイルの転送や共有に使用される一般的な決まり・方法です。
物流業界でも、様々なファイル(例:定期的に更新される商品マスタ、毎日の入出荷情報・配送情報・配送先顧客情報・納品書情報など)を取り扱うために、FTPが利用されています。

 FTPは、一般的にバッチ処理や定期的なファイル転送に使用され、大容量なファイルの送受信や高頻度なファイル更新に向いています。また安全な通信が可能で、データの転送中に暗号化が行われることで機密性が保護されます。加えてスケジュール設定をしたり、定期的に自動でアップロードすることも可能な為、頻繁に多くの情報をやりとりする物流業界には必須の方法です。

フルフォーム:File Transfer Protocol=ファイル転送プロトコル

 

  • HULFT(ハルフト)

 HULFTはデータ連携ソフトウエアの名称(商品名・社名)です。物流業界ではありとあらゆる種類のシステムやデータが存在します。

 HULFTはそれらのデータを統合し一元化することで、荷主企業と物流会社、物流会社同士など、様々なシステム間でのデータ移行やデータ連携をサポートしています。例えば、Excelファイル、データベース、メールやメッセージのデ内容など、ありとあらゆる情報を統合して連携することができます。HULFTが物流会社とのデータ連携に必要とすることがあるのはこのためです。一方で、リアルタイム性や柔軟性を重視せず、データの一括処理やバッチ処理に特化しています。

 

ここまで読まれた方、上の3つは情報のやり取りについての用語でしたが、それぞれの違いについて理解できましたか? ここでおさらいしましょう!

API

FTP

HULFT

種類 インターフェイス
(2つのシステム間をリンクして繋ぐ)
一般的なプロトコル
(決まり・方法)
ソフトウエア
(インフラの一種)
導入 繋ぐためには特定のAPIを開発・検証・メンテナンスする必要があるが、柔軟性は高い FTP(SFTP/FTPS)ソフトウエアの導入のみ HULFTと契約して購入する必要がある
機能 2つのシステム間でのリアルタイムで柔軟なデータや機能をやり取りが可能 ファイルの転送に特化した仕組み。仕組みの上で動くので柔軟性は低い システム上で、様々な形式のデータやファイルなどの情報を統合し連携でき、柔軟性は高い
更新
頻度
リアルタイム
(高い)
指示する都度に送受信、またはスケジュールで自動化
(高頻度にも対応するがリアルタイムではない)
一括処理、バッチ処理
(低い)
単位 データ単位 ファイル単位 ファイル、データベース、データ、メールやメッセージキューなど様々な単位に対応

 

 

  • VPN

 この単語は、よく耳にすることがあるでしょう。その名の通り、物理的に離れていても、インターネット上で仮想的なプライベートネットワーク空間を構築することを指します。構造上、セキュリティの強化につながります。物流会社は、重要な顧客情報や輸送データなどの機密情報を扱うため、VPNでデータを暗号化して盗聴や不正アクセスから保護します。また物流業界において、VPNはセキュリティ強化だけでなく、遠隔アクセスの目的も重要です。拠点間や現場間でアクセスが必要な場合があります。例えば、東京にあるシステムの出荷情報が、大阪にあるシステムの商品マスタにアクセスしたい場合、VPNを使用することで、同一ネットワーク上にあるシステムとして素早く情報をやり取りできます。常時接続のため安定的な接続を確立できます。

フルフォーム:Virtual Private Network

 

  • POE

 配送された商品や荷物の受領証明のことを指します。通常、配送業者が荷物を顧客に届けた際に、受取人が受領したことを証明するために使用されます。例えば、納品証明書(署名またはデジタル署名)、配送記録(配送日時、配送先住所、受取人の名前など)、配送写真(配送証明のため、配送人が撮影する写真)です。

 POEは、荷主企業や物流会社の双方にとって重要な文書です。荷主企業は商品の配送完了を証明することで、問題が発生した場合に追跡やクレーム処理を容易にすることができます。物流会社は、配送の完了を文書化することで、荷主企業や顧客との問題を回避し、荷主企業のサポートをすることが可能です。

フルフォーム:Proof of Delivery

 

奥が深い「システム連携」

 

 データ交換に関する物流用語は他にも様々存在しますが、主要な5つを厳選してご紹介しました。もしご覧の皆さんがシステム連携に携わっていたら、または携わることがあれば、ぜひ会議中にでもこのページを開いてお役立てください!

次回も、物流業界におけるシステム連携の用語を解説しますのでご期待ください。

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