システム連携用語3:データレイアウト編
記事公開日: 2023年8月7日
最終記事更新日: 2023年8月7日
物流に携わる皆さん、こんにちは!
物流業界には欠かせないと言える「システム連携」。正確な情報を荷主企業と物流会社とが共有することで、お互いの誤解やミスを極限にまで減らすソリューションの一つなのですが、実際に連携をするとなると、時間がかかり、手間と下準備が欠かせないシステム連携。
今回は、時間や手間暇がかかるポイントの一つ、データレイアウト編です。データレイアウトとは、1つのデータやファイルに情報をどうやって格納するか、どんな情報をどのような形式で記録し受け渡しするかのルールです。
用語:データレイアウト編
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データレイアウト
物流業界におけるデータレイアウトは、出荷、入荷、在庫管理、輸送指示、トラッキングなどの重要な情報を効率的に管理するためのデータの配置やフォーマットのことを指します。EDIやAPIを活用して、異なる企業やシステム間でデータを送受信することが一般的です。バーコードやRFIDなどの技術も使用され、位置情報や商品情報を追跡することが可能になっています。
データレイアウトの目的は、物流プロセスの効率化、正確性の向上、顧客への情報提供の迅速化など、効果的な物流管理を支援することにあります。
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CSV
CSV(Comma-Separated Values)はコンマで区切られたテキストデータのファイル形式で、物流業界では重要なデータを格納・共有・分析するのに広く使用されています。
在庫情報や受注データなどの重要な情報をCSVファイルとしてエクスポート・インポートし、表計算ソフトウェアを使って集計・分析することが一般的です。また、異なるシステム間でデータを共有する手段としても利用されます。セキュリティに配慮しつつ、データのバックアップと復元にも活用されます。
CSVファイルはシンプルで汎用性が高く、様々な表計算ソフトやテキストエディタソフトで閲覧・編集が可能なため、物流業界においてデータの取り扱いや共有に便利なファイル形式として広く活用されています。
CSVの例:
顧客名,注文日,商品名,数量,価格
まるまる飲料製造,2023-07-28,ごっくんおいしいオレンジ,5,100
ばつばつ石鹸(株),2023-07-27,美肌せっけん,3,50
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ASCIIコード
ASCIIコード(American Standard Code for Information Interchange)は、1960年代にアメリカで制定された文字エンコーディングの規格です。英数字、記号、特殊文字などを特定のルールに則り表現します。0から127までの範囲が使用され、例えば大文字の”A”は65、数字の”1″は49というように、各文字に固有の数値が割り当てられています。ASCIIコードは、コンピュータや通信システムでテキストを扱う際に広く使用されており、多くのプログラムやデバイスでサポートされています。
物流業界では、ASCIIコードが重要な役割を果たしています。出荷伝票や納品書には商品コードや数量などの情報をASCIIコードで記載し、バーコード技術を用いて自動識別を行います。EDIやシステム連携する場合においてもASCIIコードを活用します。ASCIIコードにより、シンプルかつ標準化されたデータ処理が行われ、効率的な物流プロセスや相互運用性の確保が実現されています。
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UTF-8
UTF-8(Unicode Transformation Format-8)は、テキストデータのエンコーディング(文字の符号化方式)の一つです。UTF-8は、Unicodeと呼ばれる国際的な文字コード規格を実装するために設計されたものであり、多言語をサポートすることができ、世界中のほとんどの文字を表現することができます。物流業界を含む多くの分野で広く使用されています。
その特徴として、可変長エンコーディングが挙げられます。UTF-8は、英数字や記号のみのASCII文字に対しては1バイトで表現できますが、日本語などの非ASCII文字は2バイトから最大4バイトまで使用します。この柔軟なエンコーディング方式により、効率的にデータを格納し、通信やデータベースにも適しています。
さらに、UTF-8はASCII互換性を持ちます。つまり、UTF-8でエンコードされたテキストは、ASCIIテキストと同じ内容になります。これにより、既存のASCIIデータをUTF-8に変換しても問題なく扱えるため、システムの互換性を保つのに役立ちます。また、UTF-8はインターネットとの親和性が高く、Webページや電子メール、データ通信などのインターネットプロトコルでよく使用されています。
UTF-8は多言語サポート、可変長エンコーディング、ASCII互換性、インターネット適合性などの特徴により、日本の物流業界においては欠かせない重要な文字エンコーディングとなっています。
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EDI
EDI(Electronic Data Interchange)は、商流通における電子データ交換の仕組みです。EDIを導入することで、企業間での情報共有やデータのやり取りが効率化され、紙ベースの手作業を大幅に削減することができます。
物流業界におけるEDIの利用は多岐にわたります。例えば、物流企業が顧客に対して出荷情報や納品書をEDIで送信することで、正確で迅速な情報共有が可能になります。在庫情報のEDIによるリアルタイムなデータ交換により、物流企業は顧客との在庫管理をより効果的に行うことができます。また、輸送指示書のEDIによる伝達は、輸送プロセスの調整を迅速化し、効率的な輸送を実現します。EDIは標準化されたデータ形式を使用するため、データの一貫性が保たれ、取引の信頼性が高まります。
EDIは国際規格であるため、海外企業との取引にも適しています。異なる言語や国の企業とも、共通のフォーマットでデータ交換が可能です。これにより、国際取引の際のコミュニケーションの障壁を乗り越えることができます。
EDIにおけるデータレイアウトは、情報をセグメントとデータ要素に分割し、特定のデータコードで表現します。業界標準の規格により定義される必要があるため、データレイアウトの適切な設計が正確な情報の伝達と受信を確保し、効率的な取引を実現します。
システムといっても数が多い!
物流におけるシステムと言っても、アルファベット3文字の略語が横行ばかりでなかなか理解に苦しむ用語が多いのが物流業界。今回は特に基本的でよく耳にするシステムするものです。特に、物流企業がシステム会社と一緒にいる時などは、専門性が高まることは必須です。そんな会議が始まる前に、このページをご覧いただけたら幸いです!
次回も、物流業界におけるシステム連携の用語を解説しますのでご期待ください。
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