システム連携用語8:バックアップ編
物流に携わる皆さん、こんにちは!
物流業界には欠かせないシステム連携。正確な情報を荷主企業と物流会社とが共有することで、お互いの誤解やミスを極限にまで減らすソリューションの一つなのですが、実際に連携をするとなると、開始までに手間と下準備が欠かせません。ここでは、そんなシステム連携に携わる方々に向けた、「システム連携用語」を毎回5つ上げて解説しています。
今回は、バックアップ編です。バックアップは一見裏方の存在ですが、物流システムの連携には欠かせない主役の一人です。今回はその中でもよく聞くけどわかりにくい用語を解説していきます。
用語:バックアップ編
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冗長性(Redundancy)
信頼性と安全性を高めるための重要な概念です。システム内で予備の要素やバックアップを持つことを指します。具体的には、ハードウェア冗長性、データ冗長性、ネットワーク冗長性が考えられます。
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- ハードウェア:サーバー、ストレージ、ネットワーク機器などが故障した場合でも別のサーバーが自動的に処理を引き継ぐことで、システムの可用性を高めます。
- データ:バックアップや複製を作成することで、データの損失を防ぎます。在庫情報や出荷データなどの重要なデータを冗長的に保存することが一般的です。
- ネットワーク:通信回線やネットワーク機器に冗長性を持たせることで、通信障害やネットワークの断続を最小限に抑えます。複数のインターネット接続を備えることで、常に通信が確立され、出荷が滞るなどの事態を防ぎます。
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バックアップ(Data Backup)
重要なデータをコピーし、元のデータが紛失、損傷、または破損した場合に、データを回復できるようにするプロセスです。バックアップはデータの保護、災害からの回復、データの損失からの保護などさまざまな目的で行われます。物流システムではバックは重要で必要不可欠なソリューションです。オンプレミス型でもハイブリッド型でも、またクラウド型でも、バックアップは必ず実施されます。
具体的な要件やデータの種類に応じて異なりますが、一般的な種類は次のとおりです。
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- 定期バックアップ:定期的なバックアップは、データの更新頻度に合わせて調整されます。商品マスタなどは基本毎日、または毎週バックアップすることが一般的です。
- リアルタイムバックアップ;物流システムはリアルタイムでデータが生成されることが多いため、出荷データなどの最重要なデータは、リアルタイムでバックアップされることもあります。リアルタイムバックアップは、データの最新バージョンを保持し、データ喪失を最小限に抑えます。
また、バックアップはデータの種類に応じて様々な方法でバックアップが実施されます。データベース、トランザクションログ、ファイルデータなど、異なるデータタイプに対応するために、適切なバックアップ方法が選択されます。バックアップデータは通常、オリジナルデータとは異なる場所に保存されることが推奨されます。これにより、物理的な災害(火災、洪水など)に対してデータの冗長性が保証されます。クラウドストレージや遠隔地のデータセンターへのバックアップが一般的です。また、セキュリティと暗号化、データの整合性の検証なども必要になります。システム連携におけるデータのバックアップの検討は、双方の要件に合わせて設計されるべきで、データの重要性や回復時間目標に応じてカスタマイズされることが一般的です。
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コールドスタンバイ(Cold Standby)
システムの冗長性を確保するための戦略の一つです。コールドスタンバイは、災害や障害などの緊急事態に備えて、予備のシステム環境を用意しておくことを意味します。予備システムは動作中でなく、必要に応じて稼働させることができる状態を保持しています。この方法は、本来のシステムが稼働できない状況に備え流ことが一般的で、データセンターの故障、自然災害、セキュリティ侵害などの場合に、予備システムを起動することで業務を継続できます。また、予備システムは通常の運用中は稼働せず、最小限のリソースを消費します。これによってコストを抑えながらも、必要な場合には迅速に切り替えることができます。ただし、コールドスタンバイは本番システムから予備システムに切り替えてから稼働状態にするまでの時間がかかります。
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ホットスタンバイ(Hot Standby)
システムの冗長性を確保するための戦略の一つで、本番のシステムと予備のシステム(スタンバイシステム)が常に両方とも稼働しており、本番システムに障害が発生した場合には、瞬時に予備システムに切り替えて業務を継続することができる状態を保持します。本番システムに障害が発生した場合には、予備システムにリアルタイムで切り替えて業務を継続することができます。切り替えの際には、ユーザーや顧客に対するサービスの中断を最小限に抑えることができます。ホットスタンバイ環境は常に運用されているため、障害が発生しても、瞬時に予備システムに切り替えて業務を継続することができるため、サービスの停止時間を最小限に抑えることができます。しかし、この環境を維持するためには、二重のハードウェア、ソフトウェア、および運用リソースが必要となります。そのため、運用コストが高くなる傾向にあります。
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ウォームスタンバイ(Warm Standby)
コールドスタンバイとホットスタンバイの中間に位置する冗長性の戦略の一つです。ウォームスタンバイでは、予備のシステムが一部の機能を保持しつつ、比較的迅速に本番環境に切り替えられるように準備されています。ウォームスタンバイ環境では、予備のシステムが一部の機能やデータを保持しており、必要な場合には迅速に稼働できる状態です。全ての機能が動作しているわけではありませんが、一部の機能が運用可能です。そのため、コールドスタンバイに比べ、本番システムからウォームスタンバイ環境への切り替えは比較的迅速に行えます。これにより、システム障害時の復旧を迅速に行うことができます。またこの環境はコストパフォーマンスに優れており、ホットスタンバイに比べてコストやリソース使用量を抑えることができます。ただし復旧までの時間はホットスタンバイよりも長くなります。
用語集をご活用ください!
物流において、データはとても重要ですが、物流現場や荷主企業など様々な環境で多数の端末が同時多発的にデータを操作しています。そのため、データが消えてしまうなど不慮の事故も考えられます。そのためにバックアップをすることは、とても重要なソリューションとなります。システム連携でもバックアップは非常に重要な意味を持ちます。荷主企業と物流会社での相互理解を深め、必要なソリューションを選択することが重要です。そんな時にこのページをご覧いただけたら幸いです!またご質問や指摘があれば、いつでもご連絡ください!
次回も、物流業界におけるシステム連携用語を解説しますのでご期待ください!
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