システム連携用語10:バーコード編
物流に携わる皆さん、こんにちは!
バーコードは、世にはなくてはならない簡単で画期的な情報格納スペースです。商品や荷物に一意な識別子を与え、情報を効率的に管理するための仕組みで、垂直の細い黒い線とその間の空白から構成され、それが特定のデータを表します。
バーコードは、1940年代にアメリカで初めて提案され、1970年代にはアメリカの食品産業で商品に導入、これがUPC(Universal Product Code)として知られるようになり、1980年代には国際標準が確立され、統一された規格となりました。1990年代には2Dバーコードが登場し、QRコードなどが一般的になりました。2000年代以降、RFID(Radio-Frequency Identification)が注目を浴び、バーコードに代わる技術として広く認識されましたが、バーコードは現在においても物流では要の技術の一つです。
今回はそんなバーコードについて、「システム連携用語」を5つ上げて解説しています。普段の業務にご活用いただけたら幸いです。
用語:バーコード編
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JAN(Japan Article Number)
JANは、1970年代初頭に日本で開発・導入され、商品を一意に識別し、データ管理を効率的に行うためのバーコード規格です。国際的な標準であるUPC(Universal Product Code)との互換性もあり、1980年代にはこれに適合するように進化しました。2000年代には2Dバーコードの普及に対応し、より多くの情報を含むことができるようになりました。
通常、JANコードは13桁の数字から構成され、その中には国コードも含まれますが、JANは主に日本国内で使われ、国際的な規模での普及は限定的です。
物流においては、JANはJANコードとも呼ばれ、商品の認識や突合に重要な役割を果たしています。製品を一意に識別し、正確に追跡することで、在庫管理や物流運営の正確性を向上させています。JANは自動化されたデータ管理を可能にし、スキャナーやリーダーを使用して効率的で正確な情報の取得が行われます。在庫管理システムとの連携により、商品の入庫や出庫などの在庫の動きを正確に把握し、需要予測や在庫最適化が行われます。また、JANは受発注プロセスを効率化し、POSやオンライン注文システムとの統合により正確で迅速な取引データの管理をサポートします。さらに、供給チェーン全体でのデータ共有を可能にし、製造業者、流通業者、小売業者など異なる業者間での連携を促進します。JANは、日本の商品において製品の識別と効率的なデータ管理を担い、物流において正確で迅速な運営を支える不可欠な要素となっています。
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EAN(European Article Number)
EANは、1970年代初頭に欧州で導入され、商品や物品を一意に識別するためのバーコード規格です。EANコードは主にEAN-13とEAN-8の2つの形式があり、それぞれ13桁と8桁の数字から構成されています。これらのコードは、国際的なビジネス取引を効率化し、商品を一元管理するために開発されました。国際的な標準であるGTIN(Global Trade Item Number)に統合されていて、EANは国際的に広く普及し、様々な国や地域で商品の一元管理に使用されています。EANコードは現在、GTIN(Global Trade Item Number)として知られる国際的な規格に統合されていて、GTINはEANコードだけでなく、JANなど他の規格も包括しています。
物流現場においては、EANは海外製商品に記載されていますが、JANコードと同様の外見をしており特にJANとの取り扱いの違いはありません。機能はJANと同様で物流現場にはなくてはならない代表的な技術の一つです。
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Code 39
Code 39は、1次元バーコードの一種であり、英数字と一部の特殊文字をエンコードするのに適しています。このバーコードは可変長で、データの長さに合わせてバーコードの長さが変動します。通常、始まりと終わりを示すために「*」(アスタリスク)が使用されます。
Code 39は、数字、英字、および特殊文字を含む43の異なる文字をエンコードできますが、ASCIIコードの一部の制御文字や小文字は含まれていません。チェックデジットが通常は含まれておらず、エラーチェック機能が限定的です。
このバーコードは広く使用されており、製造業、小売業、物流、図書館管理、医療などの分野で利用されています。シンプルで汎用性があり、特にデータ量が多い場合には他の規格が適している場合もあります。 Code 39は、環境や業界に応じて柔軟に利用されています。
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Code 128
Code 128とは、1次元バーコードの一種で、数字、英字、記号などさまざまなデータを含むことができる規格です。非常に広く採用されており、高いデータ密度を提供するため、多岐にわたる状況下で使用されています。
Code 128は可変長のバーコードであり、データの長さに合わせてバーコードの長さが変動します。これにより、異なるデータサイズに柔軟に対応することが可能です。また、3つの異なる文字セット(セットA、セットB、セットC)を備えており、英字、数字、記号などを柔軟に対応できます。Code 128はエラーチェック機能を備えており、データの正確性を確保します。これにより、読み取り時のデータ誤りを最小限に抑えます。
その高い汎用性から、Code 128は製造業、小売業、物流、医療、図書館管理など、様々な分野で利用されています。特に、可変長のデータや高いデータ密度が要求される場面で優れた性能を発揮しています。総じて、Code 128はデータの多様性と高い密度を兼ね備え、幅広い業界での実用性を持つ重要なバーコード規格です
JANとの違いについては、JANは商品の特定が主な用途です。可変長ですが、通常は13桁の構造で、数字のみの利用が主な目的であり、英字や記号は含まれません。一方CODE128は汎用的に使用でき、商品の識別に問わずありとあらゆる用途に使用できます。
よって、物流現場においては在庫ロケーション(在庫の格納場所)や出荷指示データなどをCODE128でバーコードとして利用されます。
Code 39との違いについては、Code 39はシンプルで広く使われますが、データ密度が低いのが特徴です。シンプルで柔軟性があり、コードも短くなりますが、チェックデジットがありません。一方、Code 128はデータ密度が高く、広範な文字セットをサポートしていますが、バーコードが長くなり、複雑な構造となりがちです。しかし高いデータ密度が求められる場合に適しています。
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RFID(Radio-Frequency Identification)
RFIDとは、無線通信技術を使用して物体や個体を識別するための自動認識技術の一形態です。RFIDは、RFIDタグとRFIDリーダーと呼ばれるデバイスを使用して、物体が無線で識別および追跡される仕組みを提供します。RFID技術は、物流、製造、小売業、医療、交通、農業など、様々な分野で広く応用されています。
小売業では、RFIDタグが商品に組み込まれ、ボックス型無人レジが商品をスキャンすることでいち早く販売処理が行えます。物流センターや倉庫では、RFIDタグを商品やパレットに取り付け、リーダーを使ってリアルタイムで在庫をトラッキング。これにより、在庫レベルの把握が容易になり、効率的な物流管理が実現されます。
バーコードに変わる技術で2000年代より開発導入が進んでいますが、まだバーコードに対してのコストは割高な傾向にあります。とはいえ、情報量の多さや正確性、一度に多数を同時スキャンできるなどの利便性もあるため、バーコードとうまく住み分けて使われる存在となっています。
用語集をご活用ください!
物流とシステム連携は重要であるが上に、非常に複雑な開発プロセスと運用がされています。そこでは様々な用語も飛び交います。そんな時にこのページをご覧いただけたら幸いです!またご質問や指摘があれば、いつでもご連絡ください!
次回も、物流業界におけるシステム連携用語を解説しますのでご期待ください!
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